遺言書の作成手続き

主な業務

遺言書とは、「遺言書を書いた人の最後の思い」であり、遺言者本人が死亡した後に効力が発生します。

たまに、「遺言書に書いた財産は使えなくなるの?」とご質問されることがありますが、遺言書は書いた本人が死亡して初めて効力が発生するものなので、本人が死亡するまでは本人が自由に使うことができます。

遺言書の種類

遺言書は、大きく分けると「普通方式の遺言書」と「特別方式の遺言書」があり、全部で7種類あります。

普通方式の遺言書 公正証書遺言 一般的な状況でも作成することができる
自筆証書遺言
秘密証書遺言
特別方式の遺言書 一般危急時遺言 特別な状況でなければ遺言書を作ることができない。
一般隔絶地遺言
難船危急時遺言
船舶隔絶地遺言

遺言書はこのように7つありますが、一般的に多く使われている「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」をここでは説明いたします。

自筆証書遺言とは

自筆証書遺言とは、「自分で書いて(財産目録についてはワープロで作成可能)作る遺言書」です。

遺言書の全文を自分で書き、印鑑を押すことで作成できるのですが、必ず日付と名前は記載しなければなりません。

なお、別紙として財産目録を作成する場合はワープロで作成することも可能ですが、必ず署名と押印をしなければなりません。

また、自筆証書遺言は法務局で保管することも可能です。

メリット
  • 作成は自宅でもできる
  • 費用が掛からない
デメリット
  • 原則として自分で文字が書けなければならない
  • 文章を間違えると無効になってしまう
  • 裁判所の検認が必要(法務局に遺言書を預けている場合は不要)

公正証書遺言とは

公正証書遺言とは、「公証役場で作成する遺言書」です。

事前の打ち合わせをして遺言書の原案を作成して、最終的に証人2名の面前で公証役場の公証人が読み上げ、間違えがないか確認して作成します。

メリット
  • 無効な遺言書にはならない(公証人も遺言書を確認するため)
  • 裁判所の検認が不要
  • 証人2人が立ち会うので証明力がある
デメリット
  • 費用が掛かる
  • 手続きに手間がかかる

遺言書の法的な有効事項

  • 共同相続人の相続分の指定、または第三者への指定の委託
  • 遺産の分割方法の指定、または第三者への指定の委託、および遺産の分割の禁止
  • 推定相続人の廃除、または廃除の取り消し
  • 遺贈
  • 生命保険の保険金受取人の変更
  • 一般財団法人を設立する意思の表示
  • 信託の設定
  • 認知
  • 未成年後見人、未成年後見監督人の指定
  • 遺言執行者の指定、または第三者への指定の委託
  • 特別受益の持ち戻しの免除
  • 祭祀を主宰すべき者の指定

ただし、「お願い」という形になり法的な効力はありませんが、遺言書には付言事項というものが記載できるので、書くこと自体はできます。

どうして専門家に相談するのか?

専門家に相談するメリットは、「手続きがスムーズに進む」「内容自体のアドバイス」です。

間違えなく遺言書を作成する場合、遺言書の原案を作成するためには法務局や市区町村役場等の書類が必要となりますし、公証役場で遺言書を作成する場合は、公証役場との打ち合わせが必要となります。

また、遺言書の有効無効は公証役場でも確認しますが、記載する内容自体を親身になってアドバイスはしてくれません。